プログレッシブライトマッパーは、パストレースに基づいたライトマッパーバックエンドで、エディターで進行する更新を反映するベイクドライトマップとライトプローブを提供します。
プログレッシブライトマッパーの準備処理時間 (ジオメトリとインスタンスの更新、G バッファとチャートマスクの生成) は短く、非常に早く出力を開始します。新しい中間結果が得られるとすぐに、新しいライトマップとライトプローブが表示されます。これにより、非常に高速な反復ワークフローが可能になります。
以前の Enlighten に基づいたライトマッパーは、事前計算されたリアルタイム GI を使って間接ライトを生成しました。このことは、ライトを変更するだけで新しいライトマップをかなり早く生成できるという長所でもあり、同時に、ベイクに興味のあるユーザーであっても UV レイアウトのすべての制限にしばられるという短所でもありました。プログレッシブライトマッパーの UV 要件 (面積と角度の誤差が小さい重複なしの UV と、チャート間の合理的なパディングなど) は、ベイクしたライトマッピングにとっては当然のものでした。
新しいライトマッパーは、ライティングワークフローを向上させるためにすぐに出力を生成し始め、経時的に漸次更新します。これは、インタラクティブなライティングワークフローを意味します。さらに、ベイク時間がずっと予測しやすくなりました。
こちらの ビデオは、インタラクティブなワークフローを詳しく紹介しています。
さらに新しいテクニックでは、アップサンプリング手法や放射キャッシュやその他のグローバルデータ構造に頼ることなく、ライトマップの解像度 (個々のテクセルごとに) でグローバルイルミネーションをベイクします。これによりプログレッシブマッパーはしっかりと安定し、ライトマップの選択した部分をベイクすることができます。つまり、反復速度が大幅に早くなります。
新しく作成するシーンでは、デフォルトでプログレッシブライトマッパーが有効になります。既存のシーンでは Bake Backend を Progressive (experimental) に変更するまで Enlighten のままです。
下の図の Auto Generate と Generate Lighting オプションは、生成されるライトマップの量を示しています。表示されているライトマップ数 Lightmaps in view (収束 / 非収束)、非表示のライトマップ数 Lightmaps out of view (収束 / 非収束)、ベイクのパフォーマンスを表示します。
Lighting ウィンドウの Baked GI 設定の以外に、Lightmap Parameters アセットに設定可能な新しいパラメーターの Anti-aliasing Samples、Pushoff、Backface Tolerance が加わりました。デフォルトのライトマップパラメーターをシーンごとに設定するには General GI > Default Parameters で、あるいは、レンダラーごとに設定できます。
その他は、デフォルトの Unity 5 のワークフロー同様です。オブジェクトを静的にして、ライトの入力 (ライト、環境ライティング、静的オブジェクトのエミッシブマテリアルなど) をベイクに設定します。
Auto モードでは、ライトマップとライトプローブは自動的に計算されます。Auto が無効にしている場合は、Build ボタンを押してベイクを開始する必要があります。
Force stop: 要求されたサンプル量が実際に終了する前に、任意の時点でベイクを停止することができます。これは、ライティングを手動で構築するときに使用します。100,000 の最大サンプル数とビューの優先順位付けを無効にする機能で、マシンをベイクのままにして、結果が満足な状態になったらいつでも停止できます。
Invalid texels: テクセルは Backface Tolerance パラメーター (LightmapParameters > General GI) に基づいて無効とされ、無効なテクセルは有効な近隣の値で埋められます。いったんライトマップが収束すると、テクセルを処理する拡張プロセスはライトマップを処理しているときよりも、より多くの反復を行います。
Supersampling: ライティングの質は、スーパーサンプリング量の影響を受けます。 ‘Anti-aliasing Samples’ プロパティー (Lightmap Parameters > Baked GI,、前述のライトマップパラメータを参照) を使用してコントロールします。
この プロジェクト は、プログレッシブライトマッパーに必要な設定を備えています。これはチュートリアルでも紹介されている タンク で、アセットストアでも入手可能です。このプロジェクトでは 5 分未満でベイクし、11 の 1024x1024 のライトマップが含まれます。以下のビデオでは、このプロジェクトのインタラクティブなワークフローを紹介しています。
2017–07–04 編集レビュー 無しにパブリッシュされたページ
2017–07–04 Unity 5.6 の新機能 (実験的)