シェーダーを使って Unity の マテリアルインスペクター でアーティストが設定するパラメーターを定義できます。シェーダーファイル の Properties ブロックで定義します。
Properties { Property [Property ...] }
Properties ブロックを定義します。波括弧 {} の中で以下のように複数のプロパティーを定義します。
name ("display name", Range (min, max)) = number
name ("display name", Float) = number
name ("display name", Int) = number
これらはすべて数 (数量) プロパティーのデフォルト値を決定します。Range
は、スライダーの最小 ( min ) と最大 ( max ) の範囲を表示します。
name ("display name", Color) = (number,number,number,number)
name ("display name", Vector) = (number,number,number,number)
指定した RGBA 成分のデフォルト値をもつカラープロパティーや、デフォルト値をもつ 4D ベクトルプロパティーを定義します。カラープロパティーにはカラーピッカーがついており、色空間にしたがい、必要に応じて調整されます ( シェーダープログラムのプロパティー を参照 )。ベクトルのプロパティーは、4 つの数値フィールドで表示されます。
name ("display name", 2D) = "defaulttexture" {}
name ("display name", Cube) = "defaulttexture" {}
name ("display name", 3D) = "defaulttexture" {}
これらはそれぞれ、2D テクスチャ、キューブマップ、3D (体積) プロパティーを決定します。
シェーダー内の各プロパティーは name で参照されます (Unity では、シェーダーのプロパティー名をアンダースコアで始めるのが一般的)。プロパティーはマテリアルインスペクター上で display name で表示されます。各プロパティーのデフォルト値は等号 (=) のあとに記述します。
後で、シェーダーの固定関数では、括弧で囲ったプロパティーネーム [name] でプロパティーの値にアクセスできます。例えば、2 つの int プロパティーを宣言して (例えば “SrcBlend“ と ”DstBlend”)、マテリアルプロパティーで駆動するブレンドモードを作成し、Blend [_SrcBlend] [_DstBlend]
のように Blend コマンド を通してそれらを使用します。
Properties
ブロックにあるシェーダーパラメーターは、マテリアル のデータとしてシリアライズされます。 シェーダープログラム は、実際には、マテリアルに設定されているより多くのパラメーター (行列、ベクトル、float など) を実行時にコードから得ることが可能です。しかし、それらが Properties ブロックに含まれていない場合、値は保存されません。 これは主に、スクリプトコード ( Material.SetFloat や類似の関数を使用) によって完全に操作される値に役立ちます。
プロパティーの前に、[] で囲ったオプションの属性を指定することができます。Unity が認識できる属性を使用するか、独自の MaterialPropertyDrawer クラス で属性をどのように マテリアルインスペクター に表示するかを指定します。Unity が認識できる属性は以下の通りです。
[HideInInspector]
- マテリアルインスペクターでプロパティー値を表示しません。[NoScaleOffset]
- 属性のテクスチャプロパティーに関して、マテリアルインスペクターの texture tiling/offset 欄を表示しません。[Normal]
- テクスチャプロパティーが法線マップであることを示しています。[HDR]
- テクスチャプロパティーが High Dramatic Range (HDR) テクスチャであることを示しています。[Gamma]
- Float/Vector プロパティーが UI で sRGB 値で指定されており (色とまったく同じ)、使用するカラースペースに応じて変換が必要な可能性があることを示しています。詳しくは、Cg/HLSL でシェーダープロパティーを参照するを参照してください。[PerRendererData]
- テクスチャプロパティーは、MaterialPropertyBlock の各レンダラーのデータから作られることを示しています。このプロパティーで、マテリアルインスペクターのテクスチャフィールドの UI が変わります。// water シェーダーのプロパティー
Properties
{
_WaveScale ("Wave scale", Range (0.02,0.15)) = 0.07 // スライダー
_ReflDistort ("Reflection distort", Range (0,1.5)) = 0.5
_RefrDistort ("Refraction distort", Range (0,1.5)) = 0.4
_RefrColor ("Refraction color", Color) = (.34, .85, .92, 1) // カラー
_ReflectionTex ("Environment Reflection", 2D) = "" {} // テクスチャ
_RefractionTex ("Environment Refraction", 2D) = "" {}
_Fresnel ("Fresnel (A) ", 2D) = "" {}
_BumpMap ("Bumpmap (RGB) ", 2D) = "" {}
}
Unity 5 の前は、テクスチャプロパティーは、波括弧ブロック内に TexGen CubeReflect
のようなオプションを持つことができました。これらは、テクスチャ座標を生成する固定関数を制御していました。この機能は Unity 5.0 では削除されました。TexGen が必要な場合は、代わりに 頂点シェーダー を記述する必要があります。例は、 シェーダーに固定関数 TexGen を実装する を参照してください。