Mixers パネルには、プロジェクト内のすべての AudioMixer の一覧が表示されます。AudioMixer は、このパネル上で選択するだけで簡単に切り替えられます。特定の AudioMixer を別の AudioMixer の AudioGroup へとルーティングする操作も、このパネル上で行われます。
パネル右上の「+」アイコンをクリックすれば、プロジェクトに新しい AudioMixer を追加できます。
Unity では、一つのシーン内で複数の AudioMixers を同時に持つことができます。初期設定では、それぞれの AudioMixer から出力されたオーディオ信号は直接 AudioListener に送られます。
特定の AudioMixer からのオーディオ出力を別の AudioMixer の AudioGroup にルーティングされるようにすることもできます。これにより、ゲームのランタイムにおける柔軟でダイナミックなルーティング階層が実現されます。
ある AudioMixer を 別の AudioGroup へとルーティングする方法は二つあります。一つは Mixers パネルにあるエディターから行う方法、もう一つは AudioMixer API を使用してランタイムで動的に行う方法です。
Hierarychy(階層)ビューでは、AudioMixer のサウンドカテゴリーやミキシングの構成を設定します。上述のとおり、カスタムのカテゴリーを設定することができます。カスタムのカテゴリーに AudioSounce を接続し、そこを経由させて再生することができます。
AudioMixer のトポロジーの追加と変更は、AudioGroup の Hierarchy パネルで行えます。
AudioGroup ビューは、AudioMixer 内の AudioGroups をフラットに並べた表示です。グループが横方向に並べられています。AudioGroup ビューに表示されるのは、その時点で View パネルで選択されているグループです(詳細は後述)。
ビュー内で各 AudioGroup は縦長の長方形(「ストリップ」)で表示されます。こういったレイアウトおよびスタイルは Digital Audio Workstations などのオーディオ編集パッケージによくあるものです。このレイアウトを採用したのは、音楽や映像制作の背景を持つオーディオエンジニアの Unity への移行を容易にし、オーディオハードウェアの統合をサポートするためです。
ストリップにはタイトルバーがあり、その下に縦長の VU メーターがあります。VU メーターはその時点での、その AudioGroup を通したオーディオのレベルを示します。VU メーターの隣には音量セレクターがあり、それを使用して、VU メーターと同じ尺度(dB レベルで示されます)で、その AudioGroup の減衰を入力できます。
VU メーターの下には、以下の機能を持った三つのボタンが配置されています。
AudioGroup には AudioGrop 内の DSP Effect ユニットと Attenuation(減衰)ユニットのリストも表示されています。減衰は、AudioGroup の中の Effect ユニットのチェーン内のどこにでも適用でき、音量調整を適用したい部分を具体的に自分で選んで決めることができます。これはノンリニアのエフェクトや Send および Receive ユニットの場合に役立ちます(後述)。
各 Effect Unit のスロットは以下の機能を持っています。
既存のエフェクトを右クリックして、その前後に新しい Effect ユニットを追加することもできます。ストリップの下部にある 「Add..」ボタンをクリックしても同じことができます。
Snapshot (スナップショット)パネルでは、AudioMixer 内でいくつもの Snapshot を 作成したり、相互に切り替えたり、調整したりすることができます。Snapshot は常に少なくとも一つは有効になっており、AudioMixer に編集を加えると、その時点で Snapshot パネル上で選択されている Snapshot に対して編集が加えられることになります。
Snapshot パネル上で記録された Snapshot は、サブアセットとして AudioMixer に表示されます。これにより、エディターの他の場所から Snapshot にアクセスしたり、スクリプト内でアクセスしたりすることが可能になります。
「Start Snapshot」(スナップショットリストの右側にある星型アイコン)も、設定することができます。Start Snapshot は、AudioMixer がロードされた時(シーン開始時など)の規定値となる Snapshot です。
Views パネルでは、AudioMixer に表示される AudioGroup の組み合わせを設定することができます。すべての階層が表示されている状態以外に、必要な部分だけを AudioMixer に表示することができるのです。Views パネル は純粋にワークフローの最適化のために使用するものであり、ランタイムの設定やパフォーマンスに影響を与えることはありません。
Snapshot パネル同様、Views パネルでも常にどれか一つビューが選択されており、それが AudioGroup ビューで表示されています。初期設定ではすべての AudioGroup が表示された状態になっています。特定のビューに含まれる要素は、Hierarchy パネルの目玉マークのアイコンで設定します(上記参照)。
Hierarchy パネル上の各 AudioGroup の左上に、小さな目のマークのアイコンがあります。この目玉アイコンには以下の二つの役割があります。